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 ルビー(Ruby)

コランダムの中で赤色を示すものをルビーと呼び、透明なものから不透明なものまであり、当然、透明感が高く、インクルージョン(不純物やキズなど)の少ない物が高価である。 コランダムは不純物(金属イオン)の違いで色が変わる。不純物としてクロムが1%混入すると濃い赤色のルビーになる。鉄・チタンが混入すると青色のサファイアとなり、また、クロムが0.1%しか混ざっていない薄い赤色のものを「ピンクサファイア」と呼ぶ(ルビーの発色機構は色素を参照)。クロムが5%を超えると、灰色のエメリーという工業用の研磨剤になり、価値はなきに等しい。

ミャンマー、スリランカ、タイ、カンボジア、タンザニア、マダガスカルなどが原産地である。なかでもミャンマーでは「ピジョン・ブラッド」(ハトの血)と呼ばれる最高級のルビーが得られる。 成分中に金紅石の針状結晶が混ざることによって反射光が星状に見えるものは「スタールビー」と呼ばれ、珍重されている(スター効果、スターサファイアもある)。 色彩的には赤から外れるが、インド産の透明感のない小豆色のサファイアにスター効果の現れるものがあり「インドスタールビー」と呼ばれる。

 品質の見分けかた
   
 ルビーの産地にはミャンマーをはじめ、タイやスリランカといった国々があげられますが、その美しさの特徴は それぞれ異なります。なかでも15世紀に採掘を開始したミャンマー(ビルマ)のモゴック地方は、ひときわ良質のルビー が採れることで知られ、いまでも大変重要な地域です。このモゴック鉱山で奇跡的な確率で発見される、ずば抜けた美しさを持つルビー。 それが“鳩の血の色”と呼ばれる「ピジョンブラッド」なのです。

左側の写真の一番右側のルビーが「ピジョンブラッド」です。


 カラーストーンは鑑別書が大事です


基本的に鑑定書はダイヤモンドにしかつきません。その他の宝石は全て鑑別書がつくのが基本です。カラーストーン全般に関しては グベリンが世界でもっとも権威のある鑑別機関だと言われており、ルビーやサファイアなどのコランダム 宝石に関してはパリのGRS(画像)がもっとも信頼されています。

 @identification
→識別
  (例:identification Natural Ruby(無処理のルビー ナチュラル)

 AWeight
→重量(1ct[カラット]=0.2g)

 CDimensions
→寸法(例:7.49×5.46×4.41ミリ)

 DShape
→形(フェースアップで観察した時のアウトライン)

 EColor
→色
大規模な鑑別機関になると鑑別士がたくさんいて、鑑別基準が決まっていても、それぞれ鑑別士によって若干の評価の違いがあってしかるべきです。 GRSはペレッティ氏一人で鑑別を実施するためにブレがありません。また、ペレッティ氏は自ら鉱山に行き、現地の状況を把握されてきました。 新鉱山や新産地が発見されている今日でも、必ず現地まで行って様子を観察されます。他の鑑別機関は代表の方だけが鉱山に行って、その結果を報告されると聞いています。 鑑別士自身が行って確かめるのと、人から聞いて判断するのとでは、結果はおのずとわかるでしょう。