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サファイアの知識

サファイアはコランダムのうち宝石としての価値があり、かつ色が赤でないものをいう。不純物の違いで濃赤色を呈するものはルビー(不純物:クロム)となる。 「青玉(蒼玉)」という和名があるように、一般に濃紺あるいは青紫色をしたもの(不純物:鉄、チタン)と考えられているが、濃赤色以外のあらゆる色、例えば黄色や茶色、薄紅色などのものもサファイアである。 また、かつて青色のサファイアは、油絵に使われる青の顔料だった。 工業的に生産される単結晶コランダムもサファイアと呼ばれる(この場合、サファイアガラスなどと呼ばれる事があるが、サファイアは結晶質であるため、本来の意味のガラスではない)。 ミッドナイトブルーサファイアと称されて流通しているサファイアがあるが、これは、インクブルーサファイアの色合いを呼び変えたものである。
ルビーの濃赤色や、サファイアのメインカラーである濃紺〜青紫色以外のものは、ファンシーカラーサファイアと呼ばれる。 ファンシーカラーサファイアのなかでも、ピンクがかったオレンジ色をしたものを特に「パパラチア(Padparadscha。蓮の花のつぼみの色の意)」と呼ぶ。 なかには、光を当てて眺めたときに六条の光を生ずるものがある。これはスターサファイアと呼ばれ、珍重される(スター効果)。これはサファイアの結晶が六星柱状に配列するためである。ごくまれに六条ではなく、四条(一般的にクロスと呼ばれスターとは区別される場合がある)の光を生ずるものもある。 また、アレキサンドライトのように光源によって色が変わるものもあり、カラーチェンジサファイアと呼ばれ、こちらも希少価値がある。


ロイヤルブルーとカシミール

インドで最も美しいといわれる地、カシミール。かつて、ここは最高品質のサファイヤが発掘される鉱山として盛んでした。この鉱山で採れるサファイヤは、ヘイジー効果とよばれる霧がかかったような乳白の光沢が見られ ることが特徴で、その輝きはシルクのようとも、ベルベットのようともいわれています。しかし、現在ではカシミールでサファイヤが発掘されることはほと んど無く、我々の目に触れることは非常に稀となった幻のサファイヤです。ご存じの通り、コーンフラワーブルーのサファイヤが最高品質とされていて、それがしば しば「カシミール・サファイヤ」と称して世に出ているものもありますが、実際にカシミールで採れたサファイヤはほとんどありません。

ミャンマーのモゴック周辺で産するサファイアはロイヤルブルーといわれる深みのかかった青色で、矢車菊に次ぐ色といわれ、 透明度はカシミールサファイアより高いのが特徴です。
ロイヤルブルーのサファイアは近年、非常に人気が沸騰しておりGRSの鑑別のついた石は小さなものでも価値が上がっています。

サファイヤの主な色は青です。青は男女を問わず人類の50%が好きな色です。サファイヤと関係の深いこの色は、同調や調和、友情、忠誠などの感情とも深い関係があります。 これらの感情は、圧倒的で燃える様な感情というよりはむしろ、落ち着きや相互理解、揺ぎ無い信頼を表しています。その為、永遠や信頼と関係の深い色と考えられ、多くの国の女性 が婚約指輪にサファイヤを使うことを好みます。サファイヤは忠誠と忠実の象徴である一方、愛と憧れの象徴でもあります。又、サファイヤは明確な能力とコントロールされた能力を思い起こさせます。 チェスの名人と世界チャンピオンから初めて勝利を収めたコンピューターは、“Deep Blue”と名づけられました。